Incline

映画監督・黒沢清が、主演に蒼井優を迎え、高精細8K撮影に挑む話題作!
戦争という時代のうねりに翻弄されながらも、自らの信念と愛を貫く女性の姿を描くラブ・サスペンス

【放送予定】

2020年6月6日(土)
午後2時から3時54分(114分)BS8K

【あらすじ】

1940年、太平洋戦争前夜の神戸。
福原聡子(蒼井優)は、満州へ赴いていた夫・優作(高橋一生)の帰りを待ちわびていた。ところが帰国後、幼なじみの憲兵・津森泰治(東出昌大)から呼び出され、夫が満州から連れ帰った女の死を告げられる。嫉妬心に駆られた聡子は、夫の行動を疑うなかで、彼が持ち帰った重大な秘密を目にしてしまう。かの地で一体、何があったのか。真実を知ってしまった聡子は驚きの行動に出る。

【登場人物】

福原聡子(蒼井優)
神戸の貿易商・福原優作の妻。

福原優作(高橋一生)
神戸の貿易会社・福原物産の社長。

津森泰治(東出昌大)
神戸憲兵分隊の隊長。聡子とは幼なじみ。

竹下文雄(坂東龍汰)
優作の甥。優作とともに満州へ渡る。

【蒼井優さん/福原聡子 からのコメント 】

この時代の女性を演じるのは今回が初めてだったのですが、思い描いたところに自分が行けているのか、どこか感覚が凝り固まっているのではないか、と常に自分を疑いながらの撮影でした。また、黒沢監督は、立ち位置と動きを決めてくださって、そこからどうするかは、演じる側の俳優に委ねられるため、終始「正解は何だろう?」と思いながら演じていました。正解を当てに行くというよりは、不正解を知っていくことで役を形作っていくことができたように思います

【高橋一生さん/福原優作 役 からのコメント】

黒沢監督作品に初めての参加でしたが、監督の世界観は非常に明確でしたので、動きの指示や細かな機微において、提示されたものの中でどれだけの事が出来るか、楽しみながら取り組むことができました。特に、この時代の人間を演じるならではの、現代的な口調ではない台詞群を、どう解釈して出力するかという作業は、個人的にも面白い体験でした。また、撮影終盤には、大掛かりでクラシックなオープンセットを前に、百人以上のエキストラの皆さんが行き交う中で、1カットの非常に長いお芝居をやらせていただきましたが、各部署のスタッフの方々が動いていることを感じてここに参加させていただいていることの感謝と興奮がありました。そして、蒼井さんはお芝居で会話が出来る方なので、とても安心して刺激的な経験が出来たと思っています。

【土橋圭介(NHKエンタープライズ)/制作統括 からのコメント】

映画監督の黒沢清さんを迎えての8K制作のドラマ。この一大プロジェクトを裏方で支えたのは、監督旧知の黒沢組の面々とともに、今回が初顔合わせとなるNHK技術スタッフたち。互いに期待と不安が入り混じる中、スケジュール都合でクランクイン早々、蒼井優さんと高橋一生さんが緊迫したやりとりを5分間ノーカットで見せる終盤のシーンを撮ることに。役になじむ前に、こういうシーンから入ってしまい、お二人はやりにくかったと思いますが、この撮影を序盤に乗り切ったことで、流派の異なるスタッフが1つのチームになったように感じました。素晴らしい演技に強力なスタッフワークが加わり、黒沢監督の新境地とも言える作品が完成しました。

【岡本英之(Incline)/制作統括 からのコメント】

神戸を舞台とした時代劇を8K・スーパーハイビジョン撮影で黒沢清監督が演出する。映像に関わる誰しも興奮を隠しきれないこの企画は、濱口竜介、野原位の両氏が作に名を連ね、音楽は長岡亮介氏が担当。何より、蒼井優、高橋一生の両氏をはじめとした素晴らしい俳優陣の出演する、まさに「夢のような作品」となりました。完成を迎えた今、このように事実を並べ改めてそのことを実感しています。どうぞご期待ください。

【黒沢清さん/演出 からのコメント】

過ぎ去った時代がまとう抽象性と、カメラが切り取る生身の人間の実在感とをどうやって両立させるのか、それは最初至難の技に思えました。しかし結果は素晴らしかった。何より主演俳優二人が渾(こん)身の演技でこの時代のリアリティを体現してくれたこと、そして各スタッフたちがそれを支え、超濃密でどこか神秘的な8K映像が見る者をたちまち1940年代の日本へといざなってくれたこと、全てが最高のかたちで結びつきました。このような幸運な経験は、私の長いキャリアの中でも初めてのことです。

ドラマ「スパイの妻」

【放送予定】
2020年6月6日(土)
午後2時から3時54分(114分) BS8K

【出演】
蒼井優(福原聡子)
高橋一生(福原優作)
坂東龍汰(竹下文雄)
恒松祐里(駒子)
みのすけ(金村)
玄理(草壁弘子)
東出昌大(津森泰治)
笹野高史(野崎医師)

【作】
濱口竜介、野原位、黒沢清

【音楽】
長岡亮介

【演出】
黒沢清

【制作・著作】
NHK、NHKエンタープライズ、Incline、C&Iエンタテインメント