Incline

映画『CURE』『散歩する侵略者』など独自の作風から国内外で高い評価を得ている黒沢清監督が、主演に蒼井優を迎えて、自身初となる8K・スーパーハイビジョン撮影の特集ドラマを制作することが決定。脚本は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に自作の『寝ても覚めても』が正式出品された映画監督の濱口竜介が、野原位(『ハッピーアワー』脚本)、黒沢清とともに担当。1940年代の神戸を舞台に、戦争という時代の大きなうねりに翻弄されながらも、自らの信念と愛を貫き通そうとする女性の姿を描く。

【あらすじ】

1940年 神戸。
時代の不穏な空気を感じ取っていた貿易商の男は、妻を残し満洲へ赴く。 男はそこで偶然目にしてしまった世にも恐ろしいできごとを、世界に知らしめなければならないと心を決め、行動に移そうとする。
その夫の意志を知った妻は、彼の身の安全と二人の幸せのため、これを阻もうとするが...
鬼才・黒沢清が8Kで描く、究極のラブ・サスペンス!

【放送予定】

BS8K 2020年春

【主演】

蒼井優

【監督】

黒沢清

1955年神戸市出身。立教大学在学中より8ミリ映画を撮り始め、1983年商業映画デビュー。『CURE』(97)で世界的に注目されたのを機に、国内外で高い評価を得る。『アカルイミライ』(02)は第56回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。その後も『トウキョウソナタ』(08)で同映画祭「ある視点」部門審査員賞、さらに『岸辺の旅』(14)では監督賞を受賞。2016年には初のフランス映画となる『ダゲレオタイプの女』を監督。最新作は第72回ロカルノ映画祭でクロージング上映された『旅のおわり世界のはじまり』(18)。

【脚本】

濱口竜介、野原位、黒沢清

【制作・著作】

NHK、NHKエンタープライズ、Incline、C&Iエンタテインメント

制作にあたってのコメント
蒼井優さん

黒沢監督と組ませていただくのは今回で3度目ですが、主演は初めてなので、とてもうれしいです。そして、濱口竜介さんたちの書かれた言葉が、映像ではあまり挑戦したことないタイプの口語なので、どういうリズムになるのか、また力のあるキャストの皆さんとどういう芝居になっていくのか楽しみです。

黒沢清監督

古典と言っていい戦時下のサスペンスを最新のデジタル映像で物語ってみる、そんなチャンスが私に訪れたことを大いに喜んでいます。しかも主演は蒼井優さん。彼女なら、歴史的であり同時に最先端でもある風景の中に、何の矛盾もなく存在してくれることでしょう。